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ペーパーがけで失敗しないための6つのコツ 【3-3】

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前回までで、デザインナイフでゲート処理が完了しました。そのゲートの跡をよく見てください。ぼこぼこしていませんか?
デザインナイフでパーツの表面のように滑らかにすることは至難の業です。そこで、このようなパーツ表面の荒れをヤスリを使って滑らかにしていくわけです。

今回使用する道具は紙やすり、いわゆるペーパーを使います。番手(目の粗さ)は600番を使用します。(棒ヤスリはほとんど使ったことが無いので皆さんにそのやり方をお伝えすることができません)以下よりペーパーをかける際の注意点などを箇条書きで記載します。

 

 

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①ペーパーは水研ぎ用を使う

ホームセンターなどではA4サイズ単位でペーパーを購入することができます。必ず「水砥ぎ用」を購入して下さい。(理由は後述)

このままでは大きすぎて使いにくいので、1cm幅程度の短冊状にします。長さはお好みで。とりあえず10cm程度あればいいでしょう。短冊にしたものをこのまま使うわけではありません。先端を1cm幅程度に2回山折りして厚みを持たせてください

厚みを持たせる理由は、指の丸味や柔らかさが原因で発生する削り具合のムラや、意図していない部分のヤスリがけを防ぐためです。本来でしたら当て木になるものを用意すべきなんですが、本稿では当て木の無い状態を想定して話を進めます

当て木を使ったペーパーがけはこちらをご参照ください

 

 

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②ペーパーを湿らせる

本稿でお勧めしている水砥ぎ用ペーパーは、軽くヤスリ面を湿らせて使用します。

ヤスリがけはパーツの表面を削る作業なので、非常に細かな粉上の削りかすが発生します。これを吸い込んでしまうと鼻毛がふさふさになるほか、長年常態化すると必ず呼吸器系に障害をもたらすことになります。
表面を湿らせたペーパーを使用すると、削りかすがその水分によりペースト状になるので、空中に舞ってしまうことがありません。

何か小皿なのようなものに水を張って常にペーパーを湿らせることができるようにしておきましょう。

 

 

③ペーパーがけに力は必要ない

ぐっとパーツにペーパーを押しつけたほうが早く削れる気がしませんか?それは間違いです。むしろ削るのに時間がかかります。というのはペーパーとは台紙に細かな砥粒が塗られている状態なので(下図参照)、ぐっとパーツに押しつけるとこの砥粒が台紙に食い込んでしまい、結果削る力が弱くなってしまいます。

力を入れなさすぎるとペーパーを当てる位置が安定しないので、抜きすぎもよくありません。程よくリラックスしながら表面をなでるようにペーパーを動かしてください。

 

 

④ペーパーを動かす方向

等と項目に書きましたが、初心者コースの方は特に意識しなくてもいいです。ペーパーを動かしやすい方向に動かしましょう。その時、1方向にだけ動かすのではなく、削り跡がクロスするように削ると綺麗にペーパーをかけることができます。

 

 

⑤今削るのか?組んでから削るのか?

特に合わせ目(パーツを組み合わせた境目)にあるゲート跡にペーパーをかける際は注意が必要です。削りすぎると、組み合わせるパーツとの間に無残な段差が出来上がります。

合わせ目にあるゲート跡にヤスリがけを行う場合は、パーツを組んだ後にヤスリがけを行えば、片方のパーツを削りすぎたことによる段差を防ぐことができます。

こちらの画像は、組んだ後にやすり掛けを行ったパーツです。段差がなくなりきれいに表面処理ができているかと思います

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⑥ペーパーの跡を目立たなくさせるには

本来ペーパーは荒い番手と細かい番手を2~3種類併用します。荒い番手でゲート跡を削り、細かい番手でペーパーの削り跡を目立たなくさせます。

600番のペーパー1枚しかない場合はどのようにすればいいでしょうか。ペーパーをかけていると、その表面のザラザラ感がどんどん無くなっていきます。つまり使い終わったペーパーを細かい番手のペーパーの代用として再利用すればいいわけです。

ここでも、削り跡がクロスするようにペーパーをかけることで短時間で削り跡が目立たなくなってきます。貧乏くさいですが削りにくくなったペーパーは捨てずに置いておきましょう。最後にメラミンスポンジで研磨すると削り跡がほとんど目立たなくなります。

 

 

まとめ 簡単そうで奥深い

いかがでしょうか。ヤスリをかけること自体は難しいことではありません。しかし、失敗すると後戻りができない工程でもあります。また、最終的にキットの出来を左右するのはこのペーパーがけだったりもします。ちょっとしたテクニックを知っておくだけで失敗のリスクを減らすことができますし、後々もその技術を生かす場面が出てきます。焦らずゆっくりと丁寧に行いましょう。

これで、ランナーからパーツを綺麗に切り出すことができました。でもまだ組み立てません。次の工程では、簡単なのにガンプラの完成度が一気に上がる「スミ入れ」を施します。

 

前の工程
デザインナイフを使ったゲート処理がうまくなる3つのポイント 【3-2】

次の工程
白化したパーツを元に戻す4つの方法【3-4】

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デザインナイフを使ったゲート処理がうまくなる3つのポイント 【3-2】
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白化が起こる原因は?白化を防ぐために覚えたい2つの知識 【3-5】

ステップアップコース
当て木をつかったペーパーがけの方法 【3-6】
パーティングラインを簡単に消す2つのやり方 【3-7】
アンテナのシャープ化で失敗しない3つの工程 【3-8】

 

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コメント

  1. Monji より:

     このページで質問すべきか微妙なことなのですが、
     ゲートを上手く削った(と思われる)跡は、周囲よりちょっと濃い感じになっているのですが、あれはやすりで削っていけば消えてくれるものなのでしょうか?
     私は600と1000の耐水ペーパーをつかってコスコスやっているのですが、どうにもその濃い部分が消えてくれる気がしません。
     これはやすりがけの時間が短いからなのでしょうか
     何か思い当たる節があればご教授いただきたいです。

    • tanizou より:

      monji様
      コメントありがとうございます
      ご返事遅くなり申し訳ありませんでした…

      ゲート跡が周りのパーツより濃くなる現象は、射出型の成形時には必ず発生する現象です
      ゲートから溶けたプラが、パーツの肩に流れ込んでくるのですが、どうしてもゲート回りが高密度になりやすいらしく、
      結果的に色が濃くなってしまうようです

      理論上はペーパーで削れば、その範囲は小さくなるでしょうが、完全に消すころには、パーツの厚みを超えてしまっているかと思うので現実的ではありません。

      むしろ、ゲート処理がうまくいった証拠!ぐらいの気持ちで臨まれるのがいいかと思います

      • Monji より:

        回答ありがとうございます。
        上手くいった証拠…ですか、ありがとうございます。
        ということは、その部分を何とかしたければ、リタッチなどをするのか現実的ですね。
        あとは余らせているデカールなどを貼ってごまかしてみます
        ありがとうございました。

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