ゲート処理をしているときにおこる「白化」は無塗装派のモデラーには天敵ともいえる存在です。切れ味のいいニッパーの使用や丁寧なゲート処理によりその発生確率を低くすることはできるのですが、どんなに気をつけていても不意に起こってしまうのが白化です。
白化が起こってしまったら…無塗装派はあきらめるしかないのでしょうか?いいえ。そんなことはありません。軽度な白化であれば、以下の方法でリカバリーできる場合があります。あきらめる前に一度試してみてください
①爪で強くこする
白化の原因は「組織密度の低下」です。白化した部分を爪で強くこすってやることで部分的に圧力をかけます。そうすることで組織密度を元に戻し結果的に白化が解消される場合があります。軽度の白化であれば、これでほとんど解消できます
この画像は、折り曲げることで疑似的に白化させたランナーを爪でこすったモノです。爪でこすった部分が成形色に近い色に戻っているのがわかるかと思います
②流し込み用セメントを塗る
流し込み用のセメントを白化した部分に塗ることで、白化した部分を一度溶解させます。固まるときに組織密度が均一化されるので結果的に白化が目立たなくなる場合があります。爪でこすってもいまいち白化が解消されない場合は、この方法でほとんどリカバリーできます。
ただし注意点があります。使用するセメントは必ず「流し込み用」を使用してください。一般的などろっとしたセメントは、成分に含まれている樹脂が原因でパーツ色を変色させる恐れがあるためです。私はこれで何度か涙を流しました。
こちらの画像は、セメントで白化をリカバリーさせたパーツです。セメントが乾いた後ペーパーで慣らしてやれば白化が解消されています。
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この2つの方法で白化が解消されない場合は…無理です。あきらめてください。可能であれば以下の2つの方法を試してみてください。
①塗料を使ってリタッチする。
パーツの成型色に似た塗料を使って、白化した部分にだけ色を塗ります。ただ、パーツの成型色は単純な色ではないので、必ず混色が必要になります。黒だとか濃色のパーツであれば黒でリタッチすればいいので簡単なのですが…
②市販のデカールを貼る
市販のコーションデカールなどを貼ることで、白化した場所を隠します。ただ、白化した位置がデカールを貼ってもおかしくない場所ならいいのですが…中々そううまい場所が白化するわけでもなく、非常に限定的な対象方法といえます。
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まとめ 白化は「させない」ことが大事
結局のところ、「白化させない」事が一番です。丁寧なゲート処理を心がけるとともに、「あ…白化しそう」と感じ取れるようになるために「白化が起こる理由・メカニズム」を学んでおく必要もあるかと思います。
白化が起こるメカニズムはこちらでまとめていますのでご参照ください
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